The NOTE

Daily thinking memorandums about business.

企業文化は強制できるか

みんなで助け合う、切磋琢磨、アットホーム、褒めあう、顧客第一など企業文化やクレドのような形で社員がとる行動が明文化されている会社は多い。人数が少ないベンチャーにおいてはあまりそういうことをしなくても、1つのビジョンに向けて全員で進んでいくような雰囲気が出るが、数十人以上の会社になってくるとそういうわけにもいかなくなる。

そこで企業文化を明文化して、誰でもわかるようにすることで中途で新しく入った人や新卒にも浸透させていくようなことをしたりする。しかし数年間寝食を共にしたようなレベルでその文化に入ってもらうのは難しい。

そのような場合に起こることとして、企業文化の強制ということがありうる。うちはこういう会社なので嫌でもやってください、郷に入っては郷に従えです、というような形である。私が今までいた会社では嫌悪するほどいやなものはなかったが、サークルと勘違いしているような雰囲気の会社はあった。

企業文化は会社がビジョンに向けて邁進する中でできあがっていくものであるから、その文化があったほうがビジョンに近づけなければおかしい。そのことを無視してルールとしての強制をしたところで誰も得をしない。手段が目的になってしまっている。

最近は社員の多様性ダイバーシティが企業の強みになるという理論も出てきているがそれも企業が生き残るために必要だからであって、とにかく多様であればよいということではない。企業が生き残るためであるからこそ、企業文化はその時代の変化に合わせて変化していくべきであって、文化そのものに固執するのは何の意味もないのではないだろうか。