The NOTE

Daily thinking memorandums about business.

営業経験があって良かったこと

営業をやったことがないのにマーケティングなんてできないのではないか、という視点があるが当たらずとも遠からずという感じに見える。私はバリバリの営業ではないものの、営業活動を少し経験している。マーケティングソリューションの提案営業&コンサル、広告営業、パートナー営業などいくつかの種類の活動を行ったが、その中で、営業相手によってずいぶんと求めるものが異なるということに気づいた。

同じものを営業していても、ソリューション自体を求めるクライアント、ソリューションによる結果だけを求めるクライアント、とにかく値引きして買った事実があれば良いクライアント、ビジネスパートナーとしての立場を求めるクライアントなどさまざまだった。

そしてその後自分が発注する側をやった時に、その理由がよくわかった。相手が社長でなければ管理職であれスタッフであれ、その人は何か「目標」を持って仕事をしている。そしてそれを達成するために他の企業から何かを買うのだということである。例えば何かのサービスの会員数目標を負っている人で短絡的に広告を発注することでとにかく解決したい人は内容や手法の斬新さよりも、○万円で○人の会員増が可能ということだけが欲しい。

あるいは社内ITソリューションを買う場合にも、リーズナブルに導入するという目標を持っている担当者であれば、特に製品に有意な差がなければより値引きを提示したところから買うかもしれない。または1年、2年かけてビジネスを大きくすることを目標に掲げている人であれば、単発ではなく中期的にパートナーとして相談相手になってくれるプロフェッショナルに発注するだろう。

このように商品Aを買うという行為であったとしても、買う人の立場で本当に欲しいものが変わってくるということになる。それは購買担当の目標達成であり、ひいてはその会社の業績向上である。

ただ残念なケースとして、購買担当者が持っている目標が売る側から見て実際には企業の成長とはあまり関係ない可能性が高いという場合がある。この時はいったんは売れたとしてもその後にその担当者がほめられる可能性は低く、結果発注先の自社の評判もイマイチになるかもしれない。相手の目標を見定めた上で、そこを踏み込むか、とにかく売り切るか、やめるかという選択が営業活動でも重要になってくると思う。