The NOTE

Daily thinking memorandums about business.

要件定義やマニュアルの難しさ

要件定義やマニュアルというのは、基本的には他人が読むためのものである。従って、それを読んだ人がこちらの意図を理解し、想定通りの行動をとってもらわなければならない。しかし、冗長に丁寧にすべて網羅的に書けばよいというものではない。物事には重要度があるし、正常系と異常系という概念もある。単に批判的な人の意見でよくあるのは、この場合が書いていない、あの場合が書いてないというような網羅性への批判、あるいはわかりにくい、言っていることがわからない、などの理解放棄からくる批判などがある。

もちろん的を射ているときもあるだろうが、基本的には瑣末な意見であることが多い。そういった意見に惑わされないためには、やはり基本ストーリーと枝分かれやエラー処理を分けることだと思う。基本ストーリーというのはそのシステムを使うにあたって100%必要な部分を指す。使う理由の部分であるとも言ってよい。それがなければ何のためのシステムだかわからないくらい基本的な部分。テレビのマニュアルであれば電源を入れる、チャンネルを変える、音量を変えるといったところ。

ここを完璧にしておけば、普通の使い方をする限りその内容で問題ないはずであり、要件やマニュアルすべてを批判することはできなくなり雑音は消える。その上で、条件分岐からの枝分かれやエラー処理について記述していく。これについては当初考えていたもの以外のものもたくさん出てくるので、自分だけでなく周囲の雑音な人を含めて利用してもらったり考えてもらって洗い出すのが良い。そしてリリース後でも実際の顧客が何か見つけたら足していくことが必要である。

要件定義やマニュアルは完璧を求めたらキリがない。従って様々な意見がでるわけだが、本筋をきちんとすることで1つの穴によってすべてが作り直しだというような意見はいなすことができるのではないだろうか。